秋こそ本領発揮!アクティブインサレーション(動的保温着)のススメ

秋こそ本領発揮!アクティブインサレーション(動的保温着)のススメ

こんにちは、ストライド横浜店スタッフの安田です。

今回ご紹介するのは近年バリエーションが増え、成長しているウェアのカテゴリ「アクティブインサレーション」についてです。

10月に行った1000mクラスの山々から3000mを越えるアルプスの山々で使った印象・登った際の使い方について言及していきます!

アクティブインサレーション

アクティブインサレーションとは

そもそも「アクティブインサレーション」という言葉、ここ23年でよく聞くようになった言葉で聞きなれていない方もいらっしゃると思います。

日本語で言うと「動的保温着」、つまり動きながら着ていられる保温着ということになります。「保温するためのウェア」という大きな括りで見ればフリースやダウンジャケットの仲間なんです。

アクティブインサレーションの特徴は、

  • 適度な保温力と通気性
  • 濡れに強く、乾きやすい
  • 化繊素材を使用

3つとなります。

「行動しながら使う」ことが重視されているため、ウェアの保温力によってオーバーヒートしないように、換気のしやすい構造をしていたり、保温材の量を適度に配置しています。

また、汗によってウェアが濡れることを想定しているため、濡れても保温力の落ちづらく、乾きの速い「化繊素材」を使用することで適度な保温力を維持してくれます。

そのため、春先・秋口のちょっと肌寒い時期の登山から、夏のアルプス・富士山など高山トレッキング、冬場のトレイルランニングまで、オールシーズンで活躍してくれる1着は持っておきたいウェアなのです。

 現在様々な企業がアクティブインサレーションの保温材を作っていますが、代表的なものでいうと、

  • 帝人 Octa(オクタ)
  • ポーラテック アルファダイレクト
  • プリマロフト アクティブ

などがあります。どれも上記の「適度な保温力と通気性」「速乾性」といった特徴を持っており、様々なアウトドアメーカーがアクティブインサレーションの保温材として使用しています。

10月に登った山での使い方と使った際の印象

今回使用した印象・感想を紹介するのは、先ほど紹介した3つの保温材の中でも「帝人 Octa(以下オクタ)の保温材を使ったウェアについてです。オクタの特徴はコチラからご確認ください。

Octa® | オクタ® | 製品情報 | 帝人フロンティア株式会社 (teijin-frontier.com)

使ったシーンは10月の南アルプス、荒川三山・赤石岳・聖岳をファストパックスタイルで行動した時と、箱根外輪山をトレイルランニングスタイルで行動した際に使用しました。

南アルプスは日中10℃15℃、夜は5℃前後の中を行動、箱根は13℃前後の気温の中を行動していました。

私が使ったのは以下の2着です。

 

STATIC Adrift Vest \11,000(税込)

STATIC Adrift Vest UNISEX(2023FW) – STRIDE LAB 横浜店 オンラインストア

表がメッシュ、裏が直毛型のオクタを前面に配置したベスト型の保温着です。ランニング用の要望から生まれたため、余分な熱や汗を逃がしやすいように表地はメッシュ構造になっています。風が強く寒いときには、このベストの上からウインドシェルなどを羽織ることで保温力をUPすることができます。

メッシュ地×オクタでできたベスト型ウェアのため非常に軽く、コンパクトに持ち運べるため、非常時用として持っておくにもおススメの1着です。

Teton Bros. Teton Warmer ¥29,700(税込)

Teton Bros. Teton Warmer UNISEX 2023SS – STRIDE LAB 横浜店 オンラインストア

表地は耐久撥水性と、速乾性を有するDry Action20DメカニカルストレッチナイロンとPrime Flex 4way Stretchナイロンを使用。大きな動きや激しい動きにも追従してくれます。

内側はオクタを胴・腕・背骨部分に配置。袖下・脇下・肩甲骨部はあえてオクタを配置せず表地のみとすることで、ムレなく快適性はそのままに冷やしたくないところの保温力を維持してくれます。

また、メインジップがダブルジッパーになっていることに加え、お腹についている大容量のメインポケットの中がメッシュになっていることで、しっかりと換気ができます。 

同じ「オクタ」を使っているウェアですが、オクタの使用量・配置箇所の違い、表地の違いによって使用するシーンは明確に別れました。

大きく別けると、陽のある時間帯に行動するとき活躍したのがAdrift Vest, 陽のない夜の時間、強風時に行動するときや、休憩時に活躍したのがTeton Warmerでした。 

日中の行動に大活躍!「Adrift Vest

日中は日差しや運動量で発汗・発熱量の変化が大きいです。そんな時でも表地がメッシュ構造になっているAdrift Vestは余分な熱を逃がしてくれるのでオーバーヒートせずに着続けていることができました。

これまではちょっと肌寒いときにウインド シェルやレインウェアを羽織っていましたが、動き始めて10分もすると体温が上がって中に熱がこもる感じがして脱いでいました。

替わりにAdrift Vestを着ることで体温が上がってきても余分な熱を逃がしてくれるので「ちょっと暑くなってきたかな?」と思っても行動できる。結果、行動中のウェアの着脱が減りました。

陽のない時間帯に安心感をくれた「Teton Warmer」

対して南アルプスのファストパック山行で活躍してくれたのがTeton Warmerでした。
絶対に冷やしたくないお腹部分に加え、腕・背骨部分にもオクタが配置されているためAdrift Vestよりも高い保温力を提供してくれます。

登りに行った日の夜は気温が5℃前後でしたが風が強く、稜線上で風に当たるとヘルメットやザックの表面、フラスクの水が凍り始めるような環境でした。

「体を冷やさないために動き続ける」必要があり、できれば立ち止まってウェアの脱ぎ気をする時間は作らずに済ませたい状況です。

半袖のベースレイヤーの上にTetonWarmerを重ねて、その上にレインウェアを着て行動しました。山頂へ向かう登りは発熱・発汗量が上がりましたが、大きく開口してくれるTetonWarmerのジッパーを開放することでオーバーヒートせずいられました。

TetonWarmerの良いところはこのジッパーの開閉でシーンに合わせた温度調整をしやすいところです。
登りを終えて稜線を移動する時には体の発熱も落ち着くのでジップを閉じで保温重視に切り替え、下りで走るときはレインウェアのジッパーだけ少し開けて中の熱をこもらないようにして動きました。

結果として陽が出て体感温度が上がるまではウェアの脱ぎ気をすることなく行動することができました。

あくまでも個人的な感想なのですが、10℃前後の気温の中でラン・トレッキングをするときにアクティブインサレーションが活躍するんじゃないかと感じました。それよりも寒いときにはシェルを上から重ね着して冷気を遮断することで活動範囲を広げられる印象です。

ただ気を付けないといけないのが、あくまでも「行動中」の話という点です。

TetonWarmerとレインウェアを重ねていても、立ち止まってじっとしていれば今回使用したような環境ではどんどん冷えてきていたと思います。

なので、じっとしている時に保温してくれる「ダウンジャケット」なども持っておくことは忘れないようにしてほしいところです。

さいごに

行動中のウェアとして、これまでのフリースウェアやダウンジャケットにはないメリットを提供してくれるアクティブインサレーション。

秋が深まりつつあるこの10月に、ぜひ街で、山で使ってみてほしいウェアです。

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